2025年10月、東京都墨田区の6階建てオフィスビルで、屋上の連結送水管の配管改修工事に伴うアスベスト(石綿)事前調査を行いました。配管の保温材とフランジ部分のパッキンの2か所から検体を採取して分析した結果、保温材はアスベスト不含有、パッキンからはクリソタイル(白石綿)を5〜50%検出しました。
同じ配管でも、建材によって結果が分かれた事例です。
調査概要
| 調査日 | 2025年10月 |
| 所在地 | 東京都墨田区 |
| 調査箇所 | 6階建てオフィスビルの屋上の連結送水管(配管) |
| 工事の種類 | 連結送水管の配管改修工事 |
| 調査対象 | 配管フランジ部のパッキン/配管の保温材(計2検体) |
| 調査方法 | 目視調査・検体採取・分析(JIS A 1481-1 偏光顕微鏡法による定性分析) |
| 調査者 | 建築物石綿含有建材調査者 |
| 分析 | 公益社団法人日本作業環境測定協会「石綿分析技術評価事業」の合格認定を受けた分析者が担当 |
依頼の経緯
6階建てオフィスビルの屋上にある連結送水管の配管改修工事を行うにあたり、防災設備の施工・保守を行う企業様からご依頼いただきました。
連結送水管は、火災のときに消防隊が建物の外から上の階へ消火用の水を送るための消防用設備です。改修工事でも、工事で手を加える建材は着工前に事前調査が必要です。本件では、配管を覆う保温材と、配管どうしをつなぐフランジ部分のパッキンを調査しました。
調査の様子
フランジ部分のパッキン
パッキン(ガスケット)は、配管のフランジとフランジの間に挟まれている部材です。本件のフランジも保温材に覆われた中にあり、外から一目では分からない状態でした。
検体は、カッターでパッキンの表面部分を少量削り取って採取します。採取によって配管の機能に支障が出ないよう、表面部分のみを採取しています。



配管の保温材
フランジ部分のパッキンの外側に巻かれている、繊維状の保温材(乳白色)からも検体を採取しました。



調査結果
| No. | 採取箇所 | 建材 | 結果 | 石綿の種類 | 推定含有率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 屋上 配管 | パッキン(黒色) | 含有 | クリソタイル | 5〜50% |
| 2 | 屋上 配管 | 保温材 | 含有なし | — | — |
※含有率は定性分析による推定値です。
同じ配管でも、保温材は不含有、その内側のパッキンは含有という結果になりました。保温材が不含有でも、その中のパッキンまで不含有とは限りません。アスベストの有無は建材ごとに判断が必要で、見た目や周囲の建材の結果からは決められません。
調査担当者の現場メモ
パッキンは配管のフランジ部分に使われています。今回のように保温材の中に入っていることもあり、一目で分からないことがあるので注意が必要です。アスベストバスターズの調査では、含有していることが多い建材です。
検体は、カッターなどでパッキンの表面部分を採取します。
含有が判明したパッキンの工事で気をつけること
- レベル3の建材として扱います。ガスケット・パッキンは、スレートや接着剤などと同じレベル3に区分されます。除去するときは切断などで破砕させず、湿潤化したうえで取り外します
- 廃棄物は「石綿含有産業廃棄物」になります。一般の産業廃棄物と分けて処理します
- 事前調査結果の報告が必要な場合があります。改修工事で請負代金の額が100万円以上の場合は、事前調査の結果の報告が必要です(石綿障害予防規則・大気汚染防止法)
レベル区分の詳しい説明は「アスベストのレベルとは?レベル1・2・3の違いを法改正のポイント含め専門家が解説」をご覧ください。
調査にかかった時間・費用
- 所要時間:現地調査から、分析結果を含む調査報告書の提出まで8日(土日祝日を除くと5営業日)
- 費用:2検体で合計93,500円(税込)。現在の通常料金です
費用は検体数や地域、納期によって変わります。詳しくは料金表をご覧ください。
配管のパッキンや保温材など、設備まわりの建材の事前調査もアスベストバスターズにご相談ください。建築物石綿含有建材調査者が調査から報告書の作成まで対応します。
- お電話:0120-74-1480(受付:平日9:00〜18:00)
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