アスベスト調査・分析の費用相場とは?調査・分析料金と報告書作成費の内訳

近年の法改正により、建築物の解体やリフォーム前にはアスベスト(石綿)の事前調査が原則必須となりました 。東京・神奈川・埼玉・千葉といった首都圏を中心に、建設業者や解体業者、不動産会社の皆様もアスベスト調査の依頼機会が増えていることでしょう。とはいえ、「アスベスト調査にはどのくらいの費用がかかるのか」「見積もりの内容をどう比較すればよいのか」と不安に感じる方も多いはずです。

本記事では、アスベスト調査にかかる費用相場について、調査・検体採取作業費、分析費用、報告書作成費用といった内訳ごとに解説します。専門的な内容を丁寧に説明しますので、サービス比較の参考にしてください。

目次

アスベスト調査にかかる主な費用項目

アスベスト調査の費用は建物の規模や採取する検体数によって変動しますが、主に以下の項目に分けられます。

  • 現地調査・検体採取作業費(有資格者による現地訪問とサンプリング)
  • 分析費用(検体1件あたりの試験分析料金)
  • 報告書作成費(行政提出用の書類作成費用)

それではそれぞれの費用の相場とポイントを詳しく見ていきましょう。

現地調査・検体採取作業費の相場

現地調査・検体採取費用とは、アスベスト調査の専門資格を持つ調査員が現地に赴き、書類確認や目視調査、必要に応じて試料(検体)の採取を行う作業の費用です。建物の図面による書面調査から始まり、実際の建材を目視で確認する現地調査、そして怪しい箇所のサンプリング採取までが含まれます。法令上、2023年10月以降は有資格者(「一般建築物石綿含有建材調査者」等)による調査が義務付けられており、このプロによる現地対応が必要です。

現地調査・採取にかかる費用相場は、約4万~8万円程度とされています。これは書面による図面調査が約2万~3万円、現地での目視調査が約2万~5万円という内訳の合計です 。我々アスベストバスターズが取引させていただいているデイラボさんの記事 (アスベスト(石綿)事前調査の流れをわかりやすく解説!費用相場や分析方法も紹介)によると、一般的な費用相場は以下となります。

・小規模な木造戸建て住宅(延べ床面積80㎡程度、1〜4検体目安):約10~20万円
・鉄骨造3階建てアパート(延べ床面積150㎡程度、10〜28検体目安):約45~100万円

建物が大きく調査箇所(部位)が多いほど作業費は増加し、逆に小規模であれば最低ラインに近い費用で済むでしょう。

見積もり時の注意

現地調査費には通常、調査員の人件費や基本的な機材費が含まれます。ただし出張交通費が別途請求となるケースもあります。特に調査現場がサービス提供会社の拠点から遠方(首都圏外など)の場合、別途数千円~数万円規模の出張費が見積もりに加算されることがあります。依頼先が近隣である首都圏内であれば交通費込みの料金設定になっている場合も多いので、事前に確認しておきましょう。

分析費用(1検体あたり)の相場

採取された建材サンプルに実際アスベストが含まれているかどうかを調べる分析費用は、検体1件あたりの料金で提示されるのが一般的です。分析方法には定性分析(アスベストの有無を判定する試験)と、必要に応じて行われる定量分析(含有率を測定する試験)があります。通常はアスベスト含有の有無を確認する定性分析のみで十分で、定量分析は定性結果で陽性だった場合など追加で実施されます。

分析費用の相場は1検体あたり約1.5万円〜5万円前後とされています。この幅があるのは、依頼する分析機関や分析方法、納期の緊急度によって料金が異なるためです。例えば、迅速な結果報告を求めて特急分析(24時間以内など)を依頼すると料金は高めになり、通常納期(数日~1週間程度)であれば割安になる傾向があります。一部の分析機関では、納期に応じて“S(ショート)”“M(ミドル)”“L(ロング)”といったプランを設け費用を調整できるようにしています。

具体的な料金例を挙げると、分析専門会社のデイラボではアスベストの定性分析が1検体あたり13,000円~で提供されています (アスベスト分析・調査のサービス詳細について-デイラボ)。
一方、調査から分析までワンストップで対応するARAアスベスト調査分析株式会社では、現地採取込みで1検体あたり70,000円~という費用設定例があり (商品のご紹介 | ARA アスベスト調査分析株式会社)、さらに事前調査報告書の作成まで含めたコースでは1検体あたり130,000円~とされています (商品のご紹介 | ARA アスベスト調査分析株式会社)。
このように料金には大きな幅がありますが、一般的な分析機関への直接依頼であれば1検体2~3万円台が一つの目安と言えるでしょう 。検体数が増えればその分費用も直線的に増加するため、怪しい建材が多数ある場合はトータルで高額になります。予算を抑えたい場合は、調査箇所を慎重に絞り込んだ上で必要最小限のサンプリング数で分析することもポイントです。

報告書作成費(行政提出用)の相場

調査と分析が完了すると、結果をまとめた「事前調査結果報告書」を作成します。これは各自治体や労働基準監督署へ届け出るための正式書類で、厚生労働省が定めた様式に沿って作成する必要があります。報告書作成は通常、調査を請け負った業者が代行してくれますが、その作成費用が見積もり項目に含まれるケースと、オプション扱いで別途料金(数千円)となるケースがあります。

報告書作成費用自体はそれほど高額ではなく、相場は「1,000円〜2,000円前後」とされています。多くの場合、報告書は2部まで無料で発行し、追加部数は1部あたり1,000円程度という料金設定が一例です。また、厚生労働省規定様式での作成対応に対して追加で1,000円程度の料金が発生する業者もあります。首都圏の大手調査会社では報告書費用込みのパッケージ料金としていることも多いですが、念のため見積もりに報告書作成費が含まれるか確認しておくと安心です。

費用のレンジと平均的な価格例

前述の各費用項目をすべて実施した場合、アスベスト調査一式の合計費用はおおむね7万円~13万円程度になるのが一般的です。これは検体数1~数件程度のケースを想定した相場感で、例えば平均的な住宅規模で総額約10万円前後が一つの目安と言われます。

実際には建物の構造・規模やアスベスト含有が疑われる建材の数によって必要な工程・検体数が増減するため、最終的な費用は現場ごとの見積もり次第となります。一般的な範囲を超える大規模物件や検体数が多い場合、調査費用が数十万円規模に達することもありますので注意してください。

首都圏エリア(東京・神奈川・埼玉・千葉)にはアスベスト調査の専門業者が多数存在するため、比較的競争原理が働き価格も安定しています。極端に相場とかけ離れた高額料金を提示されることは少ないですが、それでも不安な場合は複数社から相見積もりを取るのがおすすめです。費用だけでなく、調査実績や報告書の品質、納期対応も加味して検討すると良いでしょう。

見積もり比較時のチェックポイント(含まれるもの・含まれないもの)

最後に、各社の見積もりを比較・検討する際に確認しておきたいポイントをまとめます。

  • 費用項目の内訳が明確か: 「現地調査費用」「分析○検体分費用」「報告書作成費」など項目ごとに明細が示されているか確認しましょう。内訳が不明瞭な場合は質問し、どこまで含まれるかを把握することが大切です。
  • 検体数や分析方法の条件: 提示された見積もりが何検体分の分析を含んでいるかをチェックしてください。追加の検体分析が必要になった場合の追加料金も確認しておくと安心です。また定性分析のみの料金か、定量分析まで含めた場合の費用も業者によって異なるため留意します。
  • 報告書提出用の対応: 行政提出用の報告書作成費が基本料金に含まれているか、別途料金の場合いくらかを確認しましょう。提出先の様式での作成対応の有無も要チェックです。
  • 含まれない可能性のある費用: 前述のとおり出張費・交通費が別途発生することがあります。首都圏内でも依頼会社の所在地から遠い現場の場合や、駐車場代など細かな費用が請求される場合もあるので、見積もりに含まれない項目がないか確認しましょう。
  • 工期・納期への配慮: 調査結果の報告までに要する日数も重要な比較ポイントです。特急対応が必要な場合、その追加料金と通常納期との差を把握しておきます。納期に余裕があれば費用を抑えられます。

以上、アスベスト調査の費用相場と内訳について解説しました。適正な料金で安心できるサービスを選ぶためにも、ぜひ信頼できる複数の業者から情報収集し、条件に合った最適な調査プランを検討してください。

本記事の情報が皆様の比較・検討のお役に立てば幸いです。安心・安全な工事計画のために、確実なアスベスト事前調査を進めましょう。

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ライター情報

アスベストバスターズ編集部は、アスベスト調査・除去に関する専門的知識を提供する編集チームです。
読者が直面するかもしれない問題に対処し、安全な作業環境を保証するための実用的なアドバイスと正確な情報を提供することを使命としています。アスベストバスターズ編集部は、アスベスト関連の最新情報を分かりやすく解説し、読者に信頼される情報源であり続けることを目指しています。

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